特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第9章 血液
播種性血管内凝固
朝倉 英策
1
1金沢大学附属病院高密度無菌治療部
pp.927-930
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_927
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播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)は,基礎疾患(表1)の存在下に全身性持続性の著しい凝固活性化をきたし,細小血管内に微小血栓が多発する重篤な病態である.凝固活性化とともに線溶活性化がみられるが,その程度は基礎疾患により相当な差違がみられる.進行すると血小板や凝固因子といった止血因子が低下し,消費性凝固障害の病態となる1~3).DICの二大症状は出血症状と臓器症状であるが,臨床症状が出現すると予後はきわめて不良となるため,臨床症状の出現がない時点で治療開始できるのが理想である.
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