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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
2.遺伝性球状赤血球症
Hereditary spherocytosis
宮村 能子
1
MIAYMURA Takako
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児科学
pp.833-837
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000660
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1 基本病因,発症機序
遺伝性球状赤血球症(hereditary spherocytosis:HS)は,赤血球膜蛋白異常による溶血性貧血で,先天性溶血性貧血の70%を占める疾患である。75%が常染色体顕性(優性)遺伝形式をとるが,常染色体潜性(劣性)遺伝の症例や孤発例もみられる。日本では,5~10万人に1人とされ,欧州ではより発症頻度が高いとされる1, 2)。本症は,赤血球膜蛋白の垂直方向の脆弱性により,赤血球が小型球状化し,脾臓で捕捉され血管外溶血をきたす疾患である。
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