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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
1.鉄欠乏性貧血
Iron-deficiency anemia
吉野 浩
1
YOSHINO Hiroshi
1
1杏林大学医学部小児科
pp.828-832
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000659
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1 基本病因,発症機序
鉄欠乏性貧血は,鉄不足に伴うヘモグロビン合成障害によって生じる貧血である。鉄欠乏は,世界中で最多の栄養障害であり,全人口の30~50%におよぶとされ,その多くは発展途上国の人々であるものの日本や欧米でも少ないくない頻度で存在し,貧血の原因としてもっとも多い1)。小児においては鉄欠乏が進みやすい好発年齢があり,新生児期,生後9~24カ月の乳児期後期から幼児期,そして思春期に鉄欠乏性貧血が発症しやすい。
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