病気のはなし
鉄欠乏性貧血
三輪 史朗
1
1山口大第3内科
pp.882-887
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201218
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鉄欠乏性貧血とは
鉄欠乏性貧血とは体内の鉄分の不足によって起こる貧血であり,貧血の中では最も多くみられるものである.
赤血球の働きとして重要なのは肺で酸素を受け取り組織に酸素を供給する,酸素の運搬である.その酸素の運搬をしているのはヘモグロビンというタンパクで,ヘモグロビンの中に含まれている鉄が,酸素の運搬に直接関係している.鉄が欠乏するとヘモグロビンができなくなり,従って貧血を生ずるが,ヘモグロビンの含量の少ない赤血球が骨髄で産生されるために,低色素性小球性という特徴を持った貧血を呈し,血清鉄は低下し総鉄結合能は上昇し,骨髄をみるとジデロブラストは減少し,また組織貯蔵鉄は減少ないし消失する.
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