オピニオン DSM-5—私はこう思う
「統合失調症性の」または「統合失調症様の」異質性について
田中 伸一郎
1
1杏林大学医学部精神神経科学教室
pp.628-630
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204968
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DSM-5における統合失調症は,①妄想,②幻覚,③まとまりのない思考(発語),④ひどくまとまりのない,または異常な運動行動(緊張病を含む),⑤陰性症状,からなる5つの精神病性障害の症状領域によって定義される「統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害」の1つに位置付けられる。
統合失調症を診断する際には,まず,5項目の1つも満たさない「統合失調型パーソナリティ障害」を除外し,1つのみを満たす「妄想性障害」「緊張病」が検討され,ついで,持続期間が1か月未満の「短期精神病性障害」,6か月未満の「統合失調症様障害」が検討されたのち,「物質・医薬品誘発性精神障害」「他の医学的疾患による精神病性障害」が除外される,といった手続きを踏まなければならない。
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