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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
41.遺伝性運動感覚性ニューロパチー
Hereditary motor and sensory neuropathy
漆畑 伶
1,2
URUSHIBATA Rei
1,2
1国立精神・神経医療研究センター脳神経小児科
2浜松医科大学小児科
pp.442-446
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000591
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1 基本病因,発症機序
遺伝性運動感覚性ニューロパチー(hereditary motor and sensory neuropathy:HMSN)またはシャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease:CMT)は,進行性に運動および感覚神経が障害される末梢神経変性疾患群である。遺伝性ニューロパチーでもっとも頻度が高く,欧米では2,500人に1人,わが国では1万人に1人とされる1, 2)。発症年齢や重症度は原因遺伝子により多様で,多くは若年発症(0~20歳)だが50歳前後の発症もあり二峰性を示す3, 4)。わが国では約半数が孤発例とされ,常染色体顕性(優性)遺伝(autosomal dominant:AD)およびX連鎖性性遺伝がそれぞれ約33%,常染色体潜性(劣性)遺伝(autosomal reccesive:AR)が約7%とされる4)。
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