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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
35.グルコーストランスポーター1欠損症
Glucose transporter 1 deficiency syndrome
青天目 信
1
NABATAME Shin
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児科学
pp.414-417
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000585
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1 基本病因,発症機序
グルコーストランスポーター1欠損症(glucose transporter 1 deficiency syndrome:Glut1DS,OMIM606777)は,1991年にDe Vivoにより初めて報告された1)。これは,乳児期発症の難治てんかんと種々の運動異常を合併した患者2人で,髄液糖低値と,赤血球膜表面上のGlut1の発現量と機能の低下を認め,グルコースの代替エネルギーとなるケトン食療法により,てんかんと運動異常が改善した症例報告である。1998年には,原因遺伝子SLC2A1,遺伝子座1p34.2が判明した。遺伝形式は,新規突然変異例と,常染色体顕性(優性)遺伝形式で遺伝する家族例が多く,ごくまれに常染色体潜性(劣性)遺伝形式の家族例の報告もある。
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