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特集 グルコーストランスポーター
脳タイプのグルコーストランスポーター
Brain type glucose transporter
永松 信哉
1
,
中道 洋子
1
,
佐和 弘基
2
Shinya Nagamatsu
1
,
Yoko Nakamichi
1
,
Hiroki Sawa
2
1杏林大学医学部生化学教室
2杏林大学医学部脳外科
pp.32-37
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900698
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ほ乳類動物細胞の主要なエネルギー源は,グルコースであり,ATPの恒常的な供給は糖代謝により賄われている。とくに脳神経細胞においては,そのエネルギー源の大半をグルコースのみに依存していることから,脳へのグルコースの輸送およびその代謝機構を解明することは,脳神経細胞機能を理解するうえで第一義的であると思われる。
グルコースは,分子量180とはいえ極性分子であるため,リン脂質の二重層である細胞膜を速やかに通過することはできない。つまり脳神経細胞における糖代謝の第一段階は,細胞膜上に存在する特異的な担体蛋白質,すなわちグルコーストランスポーター(glucose transporter糖輸送担体)に細胞外の糖が結合し,細胞内へ輸送されることである。現在,2種類のglucoseの細胞膜輸送機構が知られている。第1は,Na+輸送と同時にglucoseをその濃度勾配に逆らって能動輸送するエネルギー依存性のNa+/グルコース共輸送で,SGLTとよばれるものである1)。第2は,細胞内外のグルコースの濃度差のみに依存する促通拡散型輸送で,これは,少なくともGLUT1~5までのisoformが生体内の各種臓器組織に広く分布していることが明らかとなってきた2,3)。
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