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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
23.亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
Subacute sclerosing panencephalitis
松重 武志
1
MATSUSHIGE Takeshi
1
1山口大学大学院医学系研究科医学専攻小児科学講座
pp.353-358
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000573
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1 基本病因,発症機序
亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis:SSPE)は,麻疹の脳内持続感染による遅発性ウイルス感染症である。最初の報告から約30年後に患者組織からパラミクソウイルス様のヌクレオカプシドが発見され1),ついで患者血清および髄液の麻疹抗体価上昇が報告され,麻疹が病因に関与していることが明らかとなった2)。麻疹罹患後,数年の潜伏期間を経て発症し,亜急性に進行して末期にいたる。根治療法は確立されていないものの,麻疹の予防接種により回避可能な疾患である。
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