特集 神経学における最近の研究
<病理>
亜急性硬化性全脳脳炎(SSPE)をめぐる研究の進展
佐藤 猛
1
1順天堂大学脳神経内科
pp.753-754
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904920
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SSPEは中枢神経系における麻疹ウイルスの長期間にわたる持続性感染症である。発病年齢は大体2歳から21歳である。奥野1)を班長とする本邦例の調査結果では,45例中20例(44.4%)が5歳から7歳の間に集中していた。53.3%は0歳と1歳で麻疹に罹患していた。一方,ワクチン接種歴との間に因果関係は認められなかった。
初発症状は知能低下,ミオクローヌスてんかんなどからはじまり,末期には昏睡,除脳硬直の状態に陥り,大半は2年以内に死亡する。しかし,なかにはある程度までは改善し,6年以上の長期生存例も報告されている。診断は,血清および髄液中の麻疹ウイルス抗体価の異常な高価やIgG増加,脳波における同期性高振幅徐波群などにより比較的容易である。
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