Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
19.もやもや病
Moyamoya disease
菱川 朋人
1
,
伊達 勲
1
HISHIKAWA Tomohito
1
,
DATE Isao
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域脳神経外科
pp.335-339
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000569
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 基本病因,発症機序
1.病 因
もやもや病は両側内頸動脈終末部の慢性進行性狭窄と,それに伴い側副路として発達した脳底部異常血管網の形成を特徴とする疾患である。1960年代にわが国から世界に向けて発信された疾患であり,現在では国際的にもよく知られた脳血管障害である。もやもや病の命名は,脳底部異常血管網が脳血管撮影において立ちのぼる煙草の煙のように「もやもや」と見えたことに由来する。もやもや病の病因は長らく不明であったが,2000年以降,遺伝子解析が積極的に行われ,2011年に17番染色体長腕上(17q25.3)に位置するring finger protein 213(RNF213)遺伝子が感受性遺伝子として同定された1)。一方で,もやもや病発症には遺伝子の感受性要因のみでは不十分であり,さらなる病因解明に向けて現在,研究が進められている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.