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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
33.フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ欠損症
Fructose-1,6-bisphosphatase deficiency
畑 郁江
1
,
杉原 啓一
1
,
湯浅 光織
2
HATA Ikue
1
,
SUGIHARA Keiichi
1
,
YUASA Miori
2
1福井県立病院小児科
2福井大学医学部小児科
pp.215-217
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000547
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1 基本病因,発症機序
フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ1(fructose-1,6-bisphosphatase 1:FBP1)は,糖新生系の律速酵素の一つで,フルクトース-1,6-二リン酸からフルクトース-6-リン酸への変換を行う(図)。フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ欠損症(OMIM 229700)は,染色体9q22.32に座位するFBP1遺伝子の病的バリアントに起因し,常染色体潜性(劣性)遺伝形式をとる。FBP1遺伝子解析では,c.959dupGが日本人を中心とする高頻度バリアントとして認められている1)ほか,多彩な遺伝子型が報告されているが2),表現型との関連は明らかでない。1970年にBakerとWinegradによって最初の症例が報告され3),発症頻度は1~9/100,000人とされている4)が,正確な頻度は不明である。
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