特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
蕁麻疹
急性・慢性蕁麻疹
秀 道広
1
HIDE Michihiro
1
1広島市民病院皮膚科
pp.1276-1280
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000319
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はじめに
蕁麻疹は,膨疹,すなわち一過性,限局性の皮膚の浮腫とかゆみの出没を特徴とし,日常診療で遭遇することの多い疾患である。蕁麻疹の国際ガイドライン1)では,発症後6週間未満の蕁麻疹を急性蕁麻疹,6週間以上経過したものを慢性蕁麻疹と分類される。わが国のガイドライン2)では,発症後6週間未満,6週間以上でかつ自発的に膨疹出現をくり返すもの(特発性の蕁麻疹)をとくに急性蕁麻疹,慢性蕁麻疹と診断する。これらは蕁麻疹のなかではもっとも患者数が多く,治療選択肢も多いが,膨疹出現の直接的誘因がなく,病態に不明な点が多いために,患者への説明には窮することが少なくない。また,蕁麻疹の病型のなかではステロイドの全身投与に対する反応性が高いが,ステロイドを使用する場合はその長期化,ならびに副作用の出現について十分注意する必要がある。
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