特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
湿疹・皮膚炎群
汗疹
横関 博雄
1
YOKOZEKI Hiroo
1
1東京医科歯科大学皮膚科
pp.1274-1275
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000318
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原 因
汗疹は高温多湿な環境下で急激に発汗が生じることによる汗管内の汗貯留症候群である。頸部,腋窩,鼠径,体幹などに水疱,紅色丘疹が生じる(図1)。小児ではしばしば湿疹化して瘙痒を伴う。汗の貯留部位が角層内,角層下で透明な水疱形成がみられるものがいわゆる「白いあせも」と俗称される水晶性汗疹(図1,図2)である。発熱後などにみられ,すぐに消褪する。汗が表皮内汗管に貯留すると,汗が真皮内に漏出して炎症を起こして赤くなる。これがいわゆる「赤いあせも」と俗称される紅色汗疹である(図1,図3)。紅色汗疹はかゆみを伴い湿疹化することがあり高温多湿の環境下で働く労働者や多汗症の人,肥満者の体幹,腋窩,鼠径部などに好発する。真皮内の汗管の閉塞による汗疹を深在性汗疹という(図1)。深在性汗疹はまれで高温多湿の条件が厳しい地域,時期にみられ,細菌を伴うことも多い。
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