特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
蕁麻疹
コリン性蕁麻疹
秀 道広
1
HIDE Michihiro
1
1広島市民病院皮膚科
pp.1291-1295
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000322
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はじめに
コリン性蕁麻疹は,発汗ないし発汗を促す刺激が加わったときに生じる小豆大~大豆大の点状の紅斑,膨疹の出没を特徴とする。蕁麻疹全体のなかの5~10%程度を占め,小児から30代前半までの成人に多い1,2)(図1)。発汗を生じる刺激がなければ症状は現れないが,日常生活において発汗や体温上昇を完全に回避することは困難であり,むしろ積極的に発汗を促すことで症状出現が低下する例もある。ほかの蕁麻疹の病型と同じように強いかゆみを伴う例もあるが,かゆみよりピリピリした皮膚の痛みが問題となる例もある。小児では汗疹と混同されることや,明確な診断を受けることなく自然経過により治癒している例が少なくないと推測される。一方,重症例では体育の授業が受けられないことや,登校そのものが妨げられることもある。
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