特集 気管支喘息のガイドラインを実臨床に生かす―こんなときどうする?
トピックス
乳幼児の肺音による評価
土生川 千珠
1,2
HABUKAWA Chizu
1,2
1国立病院機構南和歌山医療センター小児アレルギー科
2大阪大学基礎工学研究科
pp.821-824
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000177
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はじめに
小児喘息は,多くは乳幼児期に発症するが,早期診断・治療は必ずしも容易ではない。小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)では「5歳以下の反復性喘鳴のうち,24時間以上続く明らかな呼気性喘鳴を3エピソード以上くり返し,β2刺激薬吸入後に呼気性喘鳴が改善される場合に『乳幼児喘息』と診断する。さらに,呼気性喘鳴を認めるが,β2刺激薬に反応性が乏しい症例に対しては,診断的治療を用いて乳幼児喘息と診断し早期治療が必要である」としている。一方,「乳幼児喘息は,反復性に咳嗽や喘鳴をくり返す時期と呼吸困難を伴う時期にタイムラグがある。客観的肺機能検査はできないため早期診断が困難で,保護者に発作時の症状を丁寧に説明することが必要である」とされている1)。
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