特集 災害時のがん看護を考える ~被災地における経験からの提言~
しっかり伝えよう! 災害時におけるがん患者の備え
村松 真実
1
Mami MURAMATSU
1
1医療法人社団埼玉巨樹の会新久喜総合病院看護部/がん看護専門看護師
pp.278-280
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_278
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東日本大震災をはじめ,ここ数年各地で大規模災害が発生し,各自の防災意識は高まりを見せている.しかし,病気に関することは相変わらず「医師まかせ」「病院にいけば大丈夫」という考えのまま,患者自身が受けた治療や薬剤名さえ理解していないこともある.
大規模災害が発生した場合,優先される対象者は重症や外傷,高齢者や乳幼児,妊産婦,酸素吸入や透析など継続的な医療処置が必要な患者1)であり,治療中であっても自立避難できるがん患者への優先順位は低い.しかし,がん治療中の患者は抵抗力の低下や,見えない心身の苦痛を抱え,ストレスや感染に対し脆弱性を抱えている1).今回は,がん患者に伝えるべき災害時の備えと,共助につながる地域のネットワークづくりについて説明する.
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