症例
十二指腸潰瘍の疼痛に対してNSAIDsを内服し,穿孔性汎発性腹膜炎をきたした1例
堀口 比奈子
1
,
増本 幸二
1
,
西塔 翔吾
1
,
田中 尚
1
,
相吉 翼
1
,
田川 学
2
,
高安 肇
1
HORIGUCHI Hinako
1
,
MASUMOTO Koji
1
,
SAITO Shogo
1
,
TANAKA Nao
1
,
AIYOSHI Tsubasa
1
,
TAGAWA Manabu
2
,
TAKAYASU Hajime
1
1筑波大学医学医療系小児外科
2筑波大学医学医療系小児内科
pp.676-680
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000141
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はじめに
小児における消化性潰瘍や潰瘍穿孔症例の報告は,以前ほどまれではなくなった1~3)が,潰瘍穿孔に対する手術例の報告は少ない4,5)。今回,十二指腸潰瘍による腹痛に対し市販の非ステロイド系抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)を内服したために潰瘍が悪化し,穿孔性汎発性腹膜炎をきたしたと考えられる15歳男子の例を経験した。まれなケースではあるが,消化性潰瘍の罹患率が高まり,かつ市販薬を自己判断で内服することも十分にありうる年齢層では,このような事例が起こりうる可能性もあるため留意しなくてはならないと考えられ,文献的考察を加えて報告する。
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