Japanese
English
症例
治療に難渋した膵頭十二指腸切除術後の吻合部潰瘍穿孔性汎発性腹膜炎の1例
A case of perforated marginal ulcers after pancreaticoduodenectomy with panperitonitis
泉 愛
1
,
山中 健也
1
,
山下 徳之
1
,
松井 淳
1
,
栗本 信
1
,
田村 淳
1
A. Izumi
1
,
K. Yamanaka
1
,
T. Yamashita
1
,
J. Matsui
1
,
M. Kurimoto
1
,
J. Tamura
1
1兵庫県立尼崎総合医療センター外科
キーワード:
難治性腸管皮膚瘻
,
穿孔性吻合部潰瘍
,
局所陰圧閉鎖療法
Keyword:
難治性腸管皮膚瘻
,
穿孔性吻合部潰瘍
,
局所陰圧閉鎖療法
pp.374-379
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_374
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はじめに 膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy:PD)後吻合部潰瘍は,2.5%,術後中央値15.5ヵ月で発症する合併症であると報告されている1)が,穿孔をきたすことはまれである2).今回,PD後(胃膵吻合)の潰瘍穿孔による,敗血症性ショックを伴う汎発性腹膜炎を起こした1例を経験した.腹腔内ドレナージ術,穿孔部切除・再吻合を行い救命しえたが,術後壊死性筋膜炎と術後縫合不全による消化管皮膚瘻を発症した.消化液のコントロールに難渋し難治症例であったが,局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT),栄養療法と再手術を組み合わせ完全治癒が得られたため,その治療経過を含めて報告する.
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