Japanese
English
臨床報告
盲腸軸捻転によって穿孔性腹膜炎をきたした1例
A case of perforated peritonitis induced by cecal volvulus
松尾 篤
1
,
宮 喜一
1
Atsushi MATSUO
1
1国民健康保険関ケ原病院外科
キーワード:
盲腸軸捻転症
,
穿孔性腹膜炎
Keyword:
盲腸軸捻転症
,
穿孔性腹膜炎
pp.1592-1595
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104405
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要旨
患者は84歳,男性.継続的な激しい腹痛で当院の救急外来を受診した.CTで腹水,上腹部を中心に多量のfree air,左上腹部にclosed loop形成を疑う著明な拡張腸管を認め,穿孔性腹膜炎と診断して,ただちに緊急手術を施行した.移動性盲腸で,時計回りに360度捻転し,拡張した盲腸にピンホール大の穿孔部が数か所あり,黄色混濁した腸管内容液が流出していた.回盲部切除と端々吻合を行い,吻合部から20cm口側で小腸にループ式人工肛門を造設した.術前からショック状態であったが,術後の集学的治療で良好な経過を得た.盲腸軸捻転は合併症を持つ高齢者に多く穿孔を併発すれば,きわめて予後不良である.迅速な診断と早期手術開始が救命に結びついたと考えられた.
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