特集 症例から学ぶミトコンドリア病
ミトコンドリア異常症に含まれる疾患群
ミトコンドリア肝症
熊谷 秀規
1
KUMAGAI Hideki
1
1自治医科大学小児科学
pp.607-609
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000125
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はじめに
ミトコンドリア肝症は,ミトコンドリア呼吸鎖複合体異常症(MRCD)のうち,肝障害や肝不全が主症状の一つになっているものをいい,新生児期から乳児期における肝不全の重要な原因として認識されている1,2)。ミトコンドリア肝症は,小児MRCDのおよそ10~20%程度を占めるとされる1)。初期症状としては,発育障害や経口摂取不良,嘔吐などが多い。黄疸や灰白色便,肝腫大のほか,下痢や神経症状も伴いやすい。新生児期から乳幼児期のミトコンドリア肝症に関連する遺伝子変異にDGUOKやMPV17,POLGがある1)。
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