特集 プライマリケアにおける単純X線検査―ここまで読影することができる
腹部:概論
見落としにくい読影の流れ
古川 理恵子
1
FURUKAWA Rieko
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児画像診断部
pp.473-478
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000097
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はじめに
腹部単純X線写真をオーダーする際は「消化管ガスの分布を見たい」,「free airの有無を評価したい」のように評価対象がある程度決まっている(はずである!)。そのため,撮影目的に対する「見落とし」は少ないと思われる(ただ,free airに関しては,それがairであるという所見を知っておかないと診断することが難しいかもしれない)。ただし,目的が決まっているということは,逆にそれ以外の項目に目を向けることが少なくなってしまう。胸部以上に腹部には多くの臓器が密集して存在しているため,一目で全部を見るのは無理である。急性腹症の場合は一刻も早く原因を特定して次のステップにいきたい。そんな忙しい最中に「見落としにくい読影」をするのはかなり難しい。
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