特集 今知っておきたいゲノム医療と遺伝子治療―基礎から臨床まで
各論
遺伝子診断 出生前診断―出生前遺伝学的検査
佐々木 愛子
1
SASAKI Aiko
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科
pp.315-318
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000063
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はじめに
出生前診断とは,胎児を対象にしたあらゆる疾患を出生前に検査・診断することを指し,広義には遺伝的疾患だけでなく,超音波検査による形態学的診断や,子宮内胎児感染(風疹感染など)などの二次的な疾患も含んでいる。そのなかでも,胎児を対象にした出生前遺伝学的検査としての遺伝子検査はごく一部でしか実施されておらず,いずれの疾患においても保険収載はない。また,その解析結果が命の選別にもつながりかねないとして,検査受託する解析施設も少ない。単一遺伝子疾患を対象とした,出生前遺伝学的検査の現状と今後の展望について述べる。
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