特集 今知っておきたいゲノム医療と遺伝子治療―基礎から臨床まで
各論
遺伝子診断 保険収載されている遺伝学的検査
黒澤 健司
1
KUROSAWA Kenji
1
1神奈川県立こども医療センター遺伝科
pp.319-324
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000064
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
マイクロアレイ染色体検査が2021年10月1日より保険適用となった。マイクロアレイ染色体検査は,全染色体領域におけるゲノムのコピー数変化を検出する検査であり,生殖細胞系列の異常を検出する。適応疾患は例示してあるものの,基本的に検査対象領域は全ゲノムである。保険収載遺伝学的検査が,いよいよ全ゲノムを対象とする検査へシフトした第一歩といえる。検査の運用では,検査センターレベル(正確に解析すること),担当医ないしは遺伝子診療部門レベル(データと臨床症状の整合性を検討して正しく解釈を加えること),患者と向き合う診察室レベル(正しく伝えること),など複数のレベルがうまく機能して初めて医療として成り立つ。マイクロアレイ染色体検査では遺伝学的検査のこのフローがより明確になったが,考えてみれば,これは遺伝学的検査全体に共通するフローでもある。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.