特集 周産期の薬物療法 update 2025 産科編
総論
妊娠期の薬物療法に関する基本的な知識
肥沼 幸
1
KOINUMA Sachi
1
1国立成育医療研究センター女性の健康総合センター妊娠と薬情報センター
pp.909-913
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri0000002243
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はじめに
医療技術の進歩により疾患をもつ女性の妊娠機会の増加,妊娠年齢の高齢化などさまざまな要因で妊娠・授乳中の薬物治療の必要性は高まっている。しかし,母体への薬剤投与で,胎盤や母乳を介して胎児や乳児が本来は不要な薬物に曝露されることを懸念し,疾患治療自体が躊躇される場面は多い。しかし,慢性疾患をもつ母親において治療の中止による病状悪化は,妊娠継続自体が困難になるなど,胎児にとっても大きなデメリットになる可能性がある。

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