増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
外因による胎児・新生児への障害
授乳中の薬の作用・副作用のメカニズムは?
村島 温子
1
,
肥沼 幸
1
,
伊藤 直樹
1,2
MURASHIMA Atsuko
1
,
KOINUMA Sachi
1
,
ITOH Naoki
1,2
1国立研究開発法人国立成育医療研究センター/妊娠と薬情報センター
2帝京大学医学部小児科
キーワード:
授乳
,
薬
,
安全性
,
母乳栄養
Keyword:
授乳
,
薬
,
安全性
,
母乳栄養
pp.219-221
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001281
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医薬品添付文書の授乳婦の項の記載
医薬品添付文書は,医薬品が発売される際に製薬企業によって作成される,いわゆる取扱説明書である。「授乳婦」の項は,「授乳を中止させる」「授乳をさせない」「授乳中の婦人には投与しないこと」「授乳を中止させること」と記載されている薬剤が多かったが,平成29(2017)年の添付文書記載要領の改定では,「授乳を避けさせること」「授乳しないことが望ましい」「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること」という表現に変更された 1)(表1)。母乳栄養の有益性を考慮し,という文言が加わったことは,それまでの研究の成果ならびに産婦人科診療ガイドライン産科編が大きく影響していると考える。
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