特集 周産期の薬物療法 update 2025 産科編
総論
妊婦の薬物動態・代謝
伊藤 直樹
1,2
ITO Naoki
1,2
1帝京大学医学部小児科
2国立成育医療研究センター妊娠と薬情報センター
pp.905-908
発行日 2025年8月10日
Published Date 2025/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri0000002242
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はじめに
合併症妊娠の増加に伴い,薬物療法を併用しながら妊娠・出産・育児を行う女性は増えている。薬物動態の観点から,妊婦は小児と同様に“orphan population”である。改正記載要領に基づく医薬品添付文書でも,「9.5 妊婦」として特定の背景を有する患者に関する注意の項に集約されている。この「特定の背景」とは,催奇形性や胎児毒性といった安全性への配慮とともに,妊婦の基礎疾患に対する有効性に関しても非妊娠時とは異なる点が含まれる。

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