特集 産後過多出血への対応の留意点
特殊な状況での管理とその留意点
妊娠高血圧腎症の入院管理と分娩管理
山口 宗影
1
,
近藤 英治
1
YAMAGUCHI Munekage
1
,
KONDOH Eiji
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学
pp.646-649
発行日 2026年6月10日
Published Date 2026/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002735
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
分娩後異常出血(postpartum hemorrhage:PPH)は世界的な母体死亡の主要因の一つであり,迅速かつ体系的な対応が求められる1,2)。近年は医療技術の進歩によりPPHの救命率は向上している。しかし,妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)を合併した症例では,血管透過性亢進に伴う循環血液量の相対的減少が存在するため,みかけ上の出血量に比して循環動態が悪化しやすく,管理がより困難となる。さらにPEでは,血管内皮障害を基盤として血小板減少,溶血,肝機能障害が進行し,HELLP症候群などの血栓性微小血管症(TMA)を呈する重症例も存在する。このような症例では,出血管理に加えて全身管理を同時に行う必要があり,より高度な対応が求められる3,4)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

