特集 周産期の感染症対策
各論
NICUウイルス感染アウトブレイクとこれからの対策
森 晴奈
1
,
岡﨑 薫
1
MORI Haruna
1
,
OKAZAKI Kaoru
1
1東京小児総合医療センター新生児科
pp.142-147
発行日 2026年2月10日
Published Date 2026/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002591
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はじめに
新生児治療室(neonatal intensive care unit:NICU)におけるアウトブレイクは,ウイルスであっても,免疫系が未熟で感染に対する抵抗力が弱い新生児,特に早産児や低出生体重児といった脆弱な児にとって重大な脅威となる。感染により呼吸障害や無呼吸などの症状を呈し,時にショックや後遺症,さらには死に至ることもある1)。NICUでのアウトブレイクに関与するウイルスとして,RSウイルス,エンテロウイルス(特にエコーウイルス),アデノウイルス,ライノウイルス,インフルエンザウイルス,ロタウイルス,そして近年では重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)などのコロナウイルスが挙げられる。これらのウイルスによるアウトブレイクは,汚染された医療機器,医療従事者,あるいは面会者を介して,接触または飛沫により感染が拡大し,高い罹患率や死亡率をもたらすだけでなく,入院期間の延長や経済的損失を招く。そのため,アウトブレイクの迅速な終息は不可欠であり,その効果的な管理には,感染源の迅速な特定,厳格な感染コントロール,そして必要に応じた感染予防を行う。

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