連載 感染症実地疫学・13
アウトブレイク:院内感染(2) セラチア
田中 毅
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1厚生労働省福岡検疫所検疫衛生課,国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP)
pp.53-56
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100324
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Serratia marcescens(以下,セラチア)は,非病原性の細菌と考えられていたが,現在では院内感染の主要な原因とされている.セラチアは通常,気道,尿路に定着し,重症化すると敗血症に移行する1,2).
本事例は,ある脳外科病院でのセラチアの集団発生で,元気な患者が突然,敗血症を発症する特異なものだった.
本稿ではField Epidemiology Training Program(FETP:実地疫学専門家養成コース)的手法3)により,院内感染を調査して原因を除去し,将来の再発を防止するための提言を行うまでの過程を記述する.
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