連載 感染症実地疫学・17
アウトブレイク・海外② アンゴラにおけるマールブルグ病のアウトブレイク(2004~2005年)
進藤 奈邦子
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1WHO本部感染症局,国立感染症研究所感染症情報センター
pp.419-422
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101057
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マールブルグ病はウイルス性出血熱を呈する急性感染症であり,マールブルグウイルスに起因する.動物宿主,環境因子は不明で,日本をはじめアジアでの患者発生の報告はなく,ウイルスはアフリカに固有のものと考えられている.マールブルグ病の発生は,その名の由来となった1967年のドイツ(マールブルグ)および旧ユーゴスラビアにおける実験用サルからの感染例を含めて5件(1975年ジンバブエ,1980・1987年ケニヤ,1998~2000年旧ザイール)1)が知られていたが,今回,初めて西アフリカ,アンゴラでの発生が報告され,しかもマールブルグ病のアウトブレイクとしては史上最大,ウイルス性出血熱のアウトブレイクとしては2000年のウガンダ北部におけるエボラ出血熱の流行に匹敵する,最大級のものとなった.
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