特集 新生児のケア,検査,治療の工夫―筆者はこうしている
ケアの工夫 感染対策 COVID-19を主とするウイルス感染
岡崎 薫
1
,
磯部 裕介
2
OKAZAKI Kaoru
1
,
ISOBE Yusuke
2
1東京都立小児総合医療センター新生児科
2東京都立小児総合医療センター感染症科
pp.1222-1226
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001710
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はじめに
NICUにおけるアウトブレイクのうちウイルスの占める割合は約10.8%(64/590)と少ないが,これらのデータは症状が非特異的であることや診断方法の問題などから過小評価されている可能性が高く,実際のウイルスアウトブレイク発生頻度はもっと高いと予想される1,2)。原因ウイルスは,ロタウイルス,RSウイルス,エンテロウイルスが上位を占め,その死亡率は7.17%と細菌6.4%と比較して同等かもしくはそれ以上であり,NICUにおいてもウイルス感染対策は重要である1)。COVID-19のパンデミックでは,出生した児すべてにPCR検査と隔離を行った。そして,COVID-19のパンデミックに対する予防,診断,治療技術は目覚ましい勢いで進化し,多くの施設でウイルス検査機器が導入された。その結果,SARS-CoV-2だけでなく,これまでわからなかったパラインフルエンザやライノウイルスなどの呼吸器ウイルスも迅速に診断できるようになった。今後,NICUやGCUにおいて呼吸器ウイルス感染症と診断され感染対策を必要とする機会が増えることが予想される。SARS-CoV-2を中心に呼吸器ウイルス感染症の感染対策について述べる。
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