特集 周産期感染症2026
新生児からみた周産期感染症
2.臨床編―総論
57.母体抗菌薬投与が児に与える影響
田村 賢太郎
1
Kentaro Tamura
1
1富山大学附属病院周産母子センター
キーワード:
抗菌薬
,
B群溶血性レンサ球菌
,
新生児壊死性腸炎
,
薬剤耐性菌
,
アレルギー
Keyword:
抗菌薬
,
B群溶血性レンサ球菌
,
新生児壊死性腸炎
,
薬剤耐性菌
,
アレルギー
pp.257-260
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002473
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はじめに
妊娠中の女性への抗菌薬投与は,尿路感染症や敗血症など一般的な感染症の治療に加え,前期破水,絨毛膜羊膜炎,細菌性腟症など妊娠合併症の管理のために広く行われている。また,B群溶血性レンサ球菌(GBS)感染症の予防を目的とした分娩時抗菌薬投与は,早発型GBS感染症の予防法として確立されている。母体に投与された抗菌薬の多くは胎盤を速やかに通過するが,その移行率は母体への投与量,投与経路,在胎週数,抗菌薬の分子量や蛋白結合率などによってばらつきがある1)。胎児に移行した抗菌薬は,細菌に対する抗菌作用を発揮するが,一方で催奇形性,耐性菌の増加,新生児合併症の増加,腸内細菌叢への影響や将来的なアレルギー発症などの問題が生じる可能性がある。本稿では,母親に投与された抗菌薬が児に与える影響について概説する。

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