増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
感染
抗菌薬の投与が腸内細菌叢にどのような影響を与えるのか
堀越 裕歩
1
HORIKOSHI Yuho
1
1東京都立小児総合医療センター感染症科,免疫科
キーワード:
腸内細菌叢
,
抗菌薬
,
Bacteroides属
,
dysbiosis
,
microbiome
Keyword:
腸内細菌叢
,
抗菌薬
,
Bacteroides属
,
dysbiosis
,
microbiome
pp.436-438
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001337
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新生児や乳児の腸内細菌叢
従来の細菌培養による手法では困難であった消化管の腸内細菌叢の研究は,分子生物学的な手法で遺伝子同定が主流となって,飛躍的に知見が増えている。出生後,2~3歳くらいまでの腸内細菌叢は絶えず変化がみられ,その後,安定する1)。腸内細菌は,ヒトの消化管に約1,000種類以上,約100兆個も存在していて,いわゆる善玉菌とよばれる菌が身体の健康に寄与している。腸内細菌叢は,一般に多様性を保っているのが健康な状態で,腸内細菌叢の異常を “dysbiosis” とよび,現在,炎症性腸疾患,メタボリック症候群,アレルギー,心血管疾患などのさまざまな病態との関連が議論されている。
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