特集 周産期の薬物療法 update 2025 新生児編
総論
母体に投与した薬剤の新生児への影響
和田 友香
1
WADA Yuka
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター新生児科
pp.1030-1034
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002274
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はじめに
授乳中の母体に投与した薬剤が新生児へ影響することは稀である。2017年6月に医療用医薬品の添付文書記載要領が改訂され,添付文書の「妊婦,産婦,授乳産婦等への投与」の記載が変わった。以前は乳汁移行に関するデータがない場合に「安全性は確立していない」と記載されていたが,現在は「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること」などのようになっている。これは使用者がリスクを判断できる情報を可能な限り記載することが定められたことによる。つまり処方医が解釈し,授乳について判断しなければならない。

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