特集 周産期救急システム―初期対応と災害対策
災害時小児・周産期の活動の実際:平成28年(2016年)熊本地震 新生児科
川瀬 昭彦
1
KAWASE Akihiko
1
1熊本市民病院新生児内科
pp.783-786
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002195
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はじめに
日本は地震大国であり,阪神淡路大震災や東日本大震災などで多くの被害を受けている。2016年4月に発生した熊本地震(以下本地震)では,死傷者数などにおいてはそれらの地震より小規模であったが,熊本県の重症新生児の多くを受け入れていた熊本市民病院(以下当院)の総合周産期母子医療センターが機能停止をきたす,というわが国初の事態に陥った。そのため,NICUおよびGCUに入院中の全患者を他病院へと緊急避難させざるをえない状況となった。

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