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1 .序論
2016年4月14日21時26分,熊本県熊本地方で発生した熊本地震は,マグニチュード6.5,最大震度7を記録した.熊本県益城町で震度7,熊本市内でも震度6弱を記録する等,熊本県内広域にわたり甚大な被害を及ぼした.さらに2日後の4月16日には,マグニチュード7.3,震度6強を記録し熊本県の被害状況はさらに深刻な状態となった.震度6以上の地震が数日内に2度発生したことが熊本地震の特徴であり,その後の地域住民や避難者の生活に影響を及ぼした可能性がある.
2017年4月14日現在での被害状況は,死者225人,全壊8,640棟,半壊33,623棟,一部損壊を含め計189,526棟の住居被害に及ぶ(熊本県危機管理防災課,2017).地震による直接死は50人,震災関連死は直接死を上回る175人となった.入院を要したエコノミークラス症候群の患者数は54人,そのうち65歳以上が34人,全体の女性の占める人数は42人であった(熊本県健康福祉部健康づくり推進課,2017).
また,平成28年4月14日21時から平成29年4月22日24時までの期間で発生した震度3以上の地震は551回で,そのうち494回は平成28年5月31日までの期間に発生している(気象庁地震火山部,2017).余震と不安との関連に関する報告は見当たらないが,松吉(2016)は,地震後めまい症候群について状態不安が特性不安よりも有意に高く,自宅生活者よりも車中泊または避難所の症例に地震後めまい症候群が多かったと報告している.
以上のような特徴がみられた熊本地震において,日本災害看護学会(以下,「本学会」)として取り組んだ活動について総括し報告する.
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