特集 緊急受診してくる呼吸器疾患―「息が苦しい」という患者が来院したとき,どのように対応できますか?
呼吸器の救急疾患
肺血栓塞栓症
渡邉 琢也
1
1国立循環器病研究センター移植医療部
キーワード:
肺血栓塞栓症
,
臨床重症度分類
,
抗凝固療法
Keyword:
肺血栓塞栓症
,
臨床重症度分類
,
抗凝固療法
pp.57-60
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_57
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Summary
▪急性肺血栓塞栓症(急性PTE)は,「呼吸困難」および「胸痛」を認めて緊急外来を受診してくる患者に対して鑑別にあげるべき疾患である.
▪急性PTEは,致死性疾患であり早期診断と早期治療介入が予後を左右する.特異的な症状や臨床所見が少ないことから鑑別診断として念頭に置くことが重要である.
▪重症度判定,血行動態に加えて心エコー図検査による右心負荷所見を組み合わせた臨床重症度分類に基づいて治療戦略を構築する.
▪早期に診断して治療を開始することが重要である.急性PTEを疑う患者では,未分画ヘパリン5,000単位のボーラス投与を考慮する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019