特集 FGR・SGA 児のトピックス
新生児
SGA児の予後 DOHaD①退院後の栄養管理とメタボリック症候群
呉 英俊
1
,
長野 伸彦
1
,
森岡 一朗
1
GO Hidetoshi
1
,
NAGANO Nobuhiko
1
,
MORIOKA Ichiro
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.224-228
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002035
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はじめに
メタボリック症候群(metabolic syndrome : MetS)は,内臓脂肪蓄積をもとに高血圧,耐糖能異常,脂質異常症が引き起こされ,それらが組み合わさることで動脈硬化性疾患の発症リスクを招く病態である。胎児が子宮内で低栄養環境下に曝露されると,体重減少とともにその環境に適応するための体質変化が起こる。出生後の栄養状態の改善が相対的な過栄養状態となり,成人期に肥満や高血圧,2型糖尿病,脂質異常症などのMetSを発症するリスクが上昇することを成人病胎児起源説(Barker学説)という1)。現在は,子宮内の環境に応じてエピジェネティックな変化が起こり,出生後の環境とのミスマッチが生じることで,将来のMetSを含む非感染性疾患の発症に影響を及ぼすというdevelopmental origins of health and deisease(DOHaD)学説に発展している2)。

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