特集 新生児のケア,検査,治療の工夫―筆者はこうしている
検査・治療の工夫 黄疸の治療戦略
呉 英俊
1
,
長野 伸彦
1
,
森岡 一朗
1
GO Hidetoshi
1
,
NAGANO Nobuhiko
1
,
MORIOKA Ichiro
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.1284-1288
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001724
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はじめに
ほぼすべての新生児は生理的に黄疸を呈する。これは,① 新生児が多血であることや胎児赤血球の寿命が短いこと,② 肝臓におけるグルクロン酸転移酵素の活性が低く体外への排泄能が低いこと,③ 腸肝循環が盛んなためビリルビンの再吸収が起こりやすいことなどが関与している。生理的黄疸では生後2~3日頃から肉眼的黄疸を呈し,生後4~6日にピークを迎え,生後2週間程度で自然に終息する1)。生理的範囲をこえて黄疸が増強した場合を病的黄疸といい,適切な治療がなされないとビリルビン脳症を発症することがある。このビリルビン脳症を予防するため,病的黄疸を早期に診断し治療につなげることが黄疸管理において重要となる。
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