特集 小児内分泌を楽しく学ぼう
症例から学ぶ小児内分泌疾患の診かた
Small-for-Gestational Age(SGA)児とDevelopmental Origins of Health and Disease(DOHaD)
森岡 一朗
1
MORIOKA Ichiro
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.241-243
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001521
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日本は先進国のなかで,平均出生体重が減少し,低出生体重児の出生頻度が増加している唯一の国である(2005年以降,約10%の割合で低出生体重児が出生している)。子宮内で低栄養に曝露された胎児は体重が減少するのみならず,その環境に適合するための体質変化が生じる。そして,出生後に児の栄養環境が改善すると相対的な過栄養状態となるために,肥満となり,成人期に2型糖尿病,冠動脈疾患,高血圧症,脂質異常症などの生活習慣病を発症するリスクが高くなる。これを,Developmental Origins of Health and Disease(DOHaD)説という1)。実際,疫学調査からも,低出生体重児が将来肥満になった場合には,冠動脈疾患や2型糖尿病になりやすいことが報告されている2)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.