特集 FGR・SGA 児のトピックス
新生児
SGA児の予後 身体発育とSGA性低身長
鈴木 友梨
1
,
鹿島田 健一
2
SUZUKI Yuri
1
,
KASHIMADA Kenichi
2
1草加市立病院小児科
2国立成育医療研究センター内分泌・代謝科
pp.214-218
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002033
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
SGAは small for gestational ageの略であり,出生時の体格が一般的な同じ在胎週数の児に比べ小さく生まれる児のことを指す。多くは子宮内での発育不全の結果として生じ,その要因は児,母体側双方にある。SGAの要因が児によるものでは鑑別が問題となる。一方,母体側の要因や体質的なことからSGAとなった場合でも,発育遅延を生じる子宮内環境に曝露されることで,結果としてさまざまな臨床的な問題が生後に生じる可能性がある。この問題の一つがSGA性低身長である。SGA性低身長は,SGAで出生した児で通常認める生後2〜3歳までの成長のcatch-upを認めないものを指す。生後3〜4歳で身長SDのcatch-upを認めない場合,成人最終身長が低くなる可能性が高い。要因は明確ではないものの,児や子宮内の環境などさまざまな要素が複合的に合わさった結果とされる。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.