特集 これならわかる骨系統疾患とその周辺
総論
骨系統疾患国際分類と疫学
岡田 慶太
1
OKADA Keita
1
1東京大学医学部附属病院整形外科
pp.1578-1581
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001943
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はじめに
骨系統疾患とは「骨や軟骨など骨格を形成する組織の発生・分化・成長の障害により,全身の骨格形態や構造,恒常性維持に異常をきたす疾患群」である1)。つまり四肢の長管骨,脊椎,手足の短管骨だけでなく,頭蓋骨,骨盤まで,全身の骨や関節の成長,維持に関与する疾患群である。学問的には骨系統疾患はX線の発見・発展により大きく進歩した。国際分類は1969年にMaroteauxの呼びかけにより,KozlowskiやSprangerなど各国の著名な専門家たちが一堂に会してパリで会議を開いたことから始まる。1970年に初めて発表された論文では表現型とX線学的特徴をもとに以下のグループに分類された2)。
① Osteochondrodysplasia (abnormalities of cartilage and/or bone growth and development)
② Dysostosis (malformation of individual bones, single or in combination)
③ Idiopathic osteolysis
④ Primary disturbances of growth
⑤ Chromosomal aberrations
⑥ Primary, metabolic abnormalities
⑦ Bone abnormalities secondary to disturbances of extraskeletal systems
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