Japanese
English
特集 小児整形外科疾患のリハビリテーション治療
骨系統疾患
Musculoskeletal rehabilitation in skeletal dysplasias
芳賀 信彦
1
Nobuhiko Haga
1
1国立障害者リハビリテーションセンター
1National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
骨系統疾患
,
運動器リハビリテーション
,
運動療法
Keyword:
骨系統疾患
,
運動器リハビリテーション
,
運動療法
pp.365-370
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530040365
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はじめに
骨系統疾患とは,全身の骨に常に一定の様式をもって変化が現れる骨疾患の総称である.最新の国際分類1)では,800近い疾患が41のグループに分類されており,近年は原因となる遺伝子の解明が進み,この国際分類には関係する550以上の遺伝子が記載されている.
骨系統疾患には運動器の障害を合併することが多く2),一般集団では高齢で発症する運動器障害,例えば骨脆弱性に起因する骨折や関節軟骨の変性による変形性関節症を,若年期に発症するという特徴がある3).そのため小児期から運動器リハビリテーションが処方されることが多い.その内容は,一般的な小児や成人の運動器障害に対するリハビリテーション治療と大きく変わらないが,その適応や内容を考える場合には,個々の骨系統疾患の症状経過や病態を知っておく必要があり,注意点や禁忌事項を把握し運動器リハビリテーションにより症状が悪化することがないように配慮する.また近年は,合併症の管理の進歩などにより骨系統疾患患者の寿命が延伸しており,生涯にわたる生活の質(quality of life:QOL)の維持・向上を見据えて,リハビリテーション診療を行う2).本稿では,骨系統疾患に伴う運動器の症状ごとに,運動器リハビリテーションの内容や配慮すべき点を概説する.

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