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は じ め に
骨系統疾患の分類・命名法,いわゆる国際分類が改訂された1).前回(2015年)の改訂2)以来4年ぶりの改訂である.1970年発表の初版3,4)から数えて第10版になる.
この国際命名法は,はじめ1969年に欧州小児放射線学会の後援下に,Pierre Maroteauxが発起人となってパリで行われた会議に集まったグループによって作成されたものである.グループのメンバーはHerbert J. Kaufmann, Kazimierz Kozlowski, Frederic N. Silverman, Jürgen W. Spranger,そしてMaroteauxであった.本命名法の発表当初の意図は,混乱していた当時の骨系統疾患の用語,疾患名の標準化であった3).当初,「1つの命名法の試案」(a nomenclature)として発表された本命名法であるが,時の試練のなかで次第にその優秀さが広く認められ,権威あるものとなっていった.1993年から,世界の骨系統疾患の専門家の集う学会,International Skeletal Dysplasia Meetingが開催されるようになると,隔年で開かれるこの学会の隔回ごと,すなわち4年ごとにワーキンググループをつくって議論して,学会で公表されることとなった.1999年にInternational Skeletal Dysplasia Society(ISDS)が設立されると,ISDS Nosology Committee,もしくは “nosology group” と称する指名されたメンバーがInternational Skeletal Dysplasia Meetingの際に集まって改訂を行うことになった.
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