特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅲ.CT診断 A.頭部
血管奇形(血管腫,ガレン大静脈瘤,脳動静脈奇形)
佐藤 慎祐
1,2
,
新見 康成
2
SATO Shinsuke
1,2
,
NIIMI Yasunari
2
1聖路加国際病院脳神経外科
2聖路加国際病院神経血管内治療科
キーワード:
脳動静脈奇形
,
血管腫
,
ガレン大静脈瘤
Keyword:
脳動静脈奇形
,
血管腫
,
ガレン大静脈瘤
pp.440-444
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001894
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はじめに
新生児期に認められる脳および頭頸部の血管奇形は,血管腫〔静脈奇形(venous malformation:VM),リンパ管奇形(lymphatic malformation:LM)〕,ガレン大静脈瘤,脳動静脈奇形〔arteriovenous malformation(AVM),pial arteriovenous fistul(AVF)〕,dural sinus malformation(DSM)などが挙げられる。それぞれの疾患における画像診断において,頭部CTは被曝の影響から第一選択にはなりにくく,超音波,MRIが優先されることが多い。新生児期における血管奇形は,多くが妊婦健診超音波検査で指摘され,さらに頭蓋内高流速病変であれば血流評価で異常を指摘され,胎児MRIないしは,出産後に頭部超音波,MRI,CTの総合的な判断のもと確定診断される。新生児期頭部CTは,意識レベルの急激な変化や全身状態によってMRIでの精査が困難な場合,あるいは出血,水頭症,骨病変などの評価の目的で行われる。新生児期に血管奇形に対して治療を行うかどうかの判断は,ガレン大静脈瘤,脳AVM,DSMであれば,neonatal evaluation scoreによる評価が重要となる1)。以下,新生児期におけるそれぞれの血管奇形の頭部CTを含めた画像診断と治療を概説する。
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