特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅳ.MRI診断 A.頭部
血管奇形
石黒 友也
1
,
小宮山 雅樹
1
ISHIGURO Tomoya
1
,
KOMIYAMA Masaki
1
1大阪市立総合医療センター脳神経外科
キーワード:
頭蓋内動静脈シャント疾患
,
ガレン大静脈瘤
,
硬膜静脈洞奇形
,
脳動静脈瘻
,
MRI
Keyword:
頭蓋内動静脈シャント疾患
,
ガレン大静脈瘤
,
硬膜静脈洞奇形
,
脳動静脈瘻
,
MRI
pp.501-505
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001907
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はじめに
中枢神経系の血管奇形にはさまざまなものがあるが,胎生期から新生児期に症候性となるのは主に頭蓋内動静脈シャント疾患である。小児の頭蓋内動静脈シャント疾患にはガレン大静脈瘤(vein of Galen aneurysmal malformation:VGAM),硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:dural AVF),脳動静脈瘻(pial arteriovenous fistula:pial AVF),脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)があり,これらのうちAVMは生後1年未満に診断されることは稀である1)。またdural AVFも小児では硬膜静脈洞奇形(dural sinus malformation:DSM),乳児型(infantile type),成人型(adult type)の3つに分類され,胎生期から新生児期にかけてはDSMが認められる2)。VGAMが特に有名なため,胎生期に頭蓋内動静脈シャント疾患が指摘されると安易にVGAMと考えられてしまうことが多いが,各疾患の発生部位や血管構築を知っていれば超音波検査とMR検査でVGAM,DSM,pial AVFの鑑別は可能である。本稿では小児頭蓋内動静脈シャント疾患全体の病態,各疾患の特徴およびMR所見について概説する。
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