特集 周産期の画像診断 第3版
母体・胎児編 Ⅰ.超音波診断 A.妊娠初期
妊娠初期の胎児形態異常スクリーニング
山田 研二
1
,
中村 靖
1
YAMADA Kenji
1
,
NAKAMURA Yasushi
1
1FMC東京クリニック
キーワード:
胎児超音波検査
,
胎児形態異常
,
超音波スクリーニング検査
,
妊娠初期
Keyword:
胎児超音波検査
,
胎児形態異常
,
超音波スクリーニング検査
,
妊娠初期
pp.57-62
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001816
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はじめに
超音波診断装置の技術的進歩に伴い,妊娠初期から胎児の微細な構造まで検出することが可能となってきた。しかし,わが国では妊娠中期以降での解剖学的評価は標準になりつつあるが,妊娠初期において胎児を詳細に評価することは依然として少なく,一般的ではない。諸外国で一般的になっている胎児形態評価がわが国では広く普及していない理由として,これまで妊娠初期および中期における標準的評価項目や検査を行う時期が明確にされてこなかったことが一因として考えられる。このため,日本超音波医学会では胎児形態評価の質の向上と均質化を図る目的で,2022年3月に「超音波による胎児形態の標準的評価法」を公示し,胎児形態評価における到達目標を示した(表)1)。ここでは妊娠初期における評価項目数は,任意項目を含めて19項目となっており,日本産科婦人科学会で提唱される3項目よりも多い。本稿では,この時期における正常胎児の解剖学的所見について触れながら,日本超音波医学会が「標準的評価法」で示した評価項目について述べるとともに,この評価項目には含まれていなくても,当院での検査で着目している点について補足する。
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