特集 周産期(産科)の手術の工夫―筆者はこうしている
癒着胎盤がある場合の手術
前置胎盤がないときの癒着胎盤の手術―常位癒着胎盤に対する子宮温存手技―TURIP法
二井 理文
1
NII Masafumi
1
1三重大学医学部産科婦人科学教室
pp.1136-1140
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001687
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はじめに
癒着胎盤は,産科危機的出血から時に妊産婦死亡につながる重要な疾患であり,母体年齢の上昇,帝王切開の増加,体外受精の増加により,近年増加している1)。妊産婦死亡の原因として,産科危機的出血は,2010年は29%と最多であったが,2019年には7%まで減少した。しかし,2020年から再び増加し,2022年は18%であった。この原因として,羊水塞栓症以外に子宮破裂や弛緩出血とともに癒着胎盤が散見される2)。
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