特集 帝王切開のネガティブ・インパクトの克服と新たな取り組み
II.ネガティブ・インパクトの回避に向けた取り組み
1.癒着胎盤に対するターニケット・テクニックとTURIP法
二井 理文
1
,
池田 智明
1
M. Nii
1
,
T. Ikeda
1
1三重大学医学部附属病院産婦人科
pp.231-235
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002888
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
癒着胎盤は,産科危機的出血から妊産婦死亡につながることのある重要な疾患である。胎盤の癒着は常に診断されるわけではなく,帝王切開前に診断された場合でも,大量輸血や血管内バルーンなど,相当な準備を要する。このような状態に対応するため,いかなるレベルの施設でも簡便に大量出血を防ぐこと,子宮摘出術の必要性を検討する時間を確保することを目的に,ターニケット・テクニックを開発した。また,妊孕性温存の可能性を高めるための手技としてターニケット・テクニックを応用し,TURIP(Tourniquet, Uterine Inversion and Placental dissection)法を考案したため,併せて紹介する。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.